全ての経験が役に立つ
「あんな経験をするんじゃなかった」「あれは全く無駄なことだった」と後悔の念が沸き起こってくることがある。でも、とても耐え難いような思い出も、また、穴があったら入りたいような恥ずかしい経験も、それは、その経験をしたから言えることなのだ。
何事も、やってみて、言ってみて始めて分かるというものである。やんなかったら分からなかったのだ。
また、いい方向に転がり「ああ思い切ってやってよかったな」と思うこともある。それだって、ともかくもやってみなければ到達できなかった認識である。
ものごとは、いい方向に転がれば、逆に裏目にでることもある。全てがよかったり、また全てが悪かったりすることもない。考えてみれば当たり前のことである。
晴れの日があれば、雨の日もある、順風の時もあれば、逆風の時もある。押し寄せる波もあれば、引いていく波もある。押しよせる波に逆らおうとしても、容易に海の中には入っていけないが、波が引くタイミングにひょいっと乗ってやると、全く労せずに沖に出ることができる。社会の景気だって波だからいいときもあれば、悪いときも当然ある。全ての現象は連関するサイクルのなかで起こっている。
この世界で、あるいはこの自然で、この宇宙で生きるということは結局そういうことである。うまくいかなかった過去の経験も、後から思い返せば、「押し寄せる波に向かって無理をして進もうとしてうまくいかなかったんだな」みたいなことが分かってきたりする。人間は自然の法則、宇宙の法則には絶対に逆らうことはできないのだ。
もっと大きな枠組みの中で自分を捉えることができれば、後悔という感情ももっと違ったものになっていくだろう。全ての経験に無駄なことはないのである。*1
*1:写真は「toshiの写真箱」