寝ているようで覚めている

bon-naoto2007-01-21

人間の脳は、スーパーコンピュータ何台分ものすごい能力を潜在的に持っているそうだ。脳がその能力を減衰させることなく、そのままブレーキなしに働くようになれば、誰でもすごい力が出せるのだろうと思う。おそらくそのブレーキはいわゆる「意識」がかけている。意識が脳の活動を必要以上に抑えているのではないか。脳を意識でコントロールしようとせず、そのままの能力が発揮されるに任せた状態、それはいわゆる「無意識」を最大限に活用するということでもある。


「意識で何でもかんでも解決できる」とか、「意識で全てをコントロールできる」というのは、幻想にすぎない。ここでいう「意識」とは、人間が持っている「自我」とか「思考能力」といったもので、生物ならば「原初意識」のようなものはみな持っているだろうからそれとは異なる。進化の段階で、人間が獲得してきた新しい意識だ。


この世界にこういった「自我」とか「思考能力」が生まれてきたのは、せいぜい何万年くらいのレベルの話である。生物が生まれたのが、四十億年前だから、生物がもともと持っている生命体としての原初意識の方が遥かに歴史が深い。その新しい意識で全てをコントロールしようとするのは、土台無理な話なのだ。無視したり、脇においやったりすると、生命としての意識が無視するなとサインを送ってくる。その結果、体調が不調になったり、病気になったりする。


寝ているときは、意識は働いていないのでブレーキも効いていないが、でも、人間が活動することそのものができない。だから、「覚めていながら同時に寝ている」ような状態がおそらく一番脳が働いている状態なのだ。これもやはり絶妙なバランスだと思う。またそれは、深い瞑想の状態に近いだろう。深くリラックスしながら同時にあらゆるものがハッキリと見えている状態。