つながりを求める心

どんな人間でも、一人では決して生きられない。たとえ、山の中に孤独で暮らしている様な人でさえも、心の中で人とのつながりを拒絶することはできないだろう。


過去の何らかの出来事や、環境により、十分に愛されることのできなかった(あるいはそう強く思い込んでしまっている)人がいる。その人は、素直に愛を受け取れなかったその過去の傷によって、愛を拒絶するように見える行動を取っているのかもしれない。


愛されなかった経験によって、本心では愛を求めてはいるのだが、つい人からは愛されない様な行動や言動に走ってしまう。真実はそんなところだろう。愛しがいのない人ほど、愛を求めているものだ。訳もわからず、いきなりキレる人、暴言を吐く人、暴力を振るう人、せっかくの人との関係をわざわざ壊してしまうような人がいる。本心では、つながりを求めているのに、自分の心をどう表出してよいのか分からずに、そんな行動に出てしまうことがほとんどではないだろうか。


その人はどうしてそんな行動を取るのだろう? なぜ、そんなことを言うのだろう? その人の生い立ちや周りにいた人たち、気持ちの中まで一歩踏み込んで考えてみると、単なる「嫌われ者」も、違った見え方になるのではないか。