選択できなかった生き方

あの時あっちの道を選んでいたらどうなっていただろう。歳を重ねるごとに、こうした思いも増えていくのだろう。考えても仕方ないこととは知りつつも、ついつい考えてしまうときがある。


でも、よりによって「何故今そのこと」を思い出す? 「他に選べたかもしれない可能性」ではなくて、仮想ではあっても「それでなければならない」自分の姿が確かにある。強烈に時空を超えて蘇えるイメージは「絶対にそれでなければならない」とハッキリと自己主張している。空想や妄想といわれるようなものでも、その映像が選ばれる理由には必然的な根拠があるのだ。


そのイメージが象徴しているもの、それが「今の自分が欲しているもの」だ。


昔の自分には戻れない。でも、その時でなければ選択できない、既に失われてしまったものでも、今ここにいる自分の心の中では蘇らせることができる。


今の自分は何を欲しているだろうか。「選択できなかった生き方」から何を持ってきたいのか。