継続こそ力

「海馬 脳は疲れない」(朝日出版社 池谷裕二糸井重里)という本に、脳神経のつながりが「べき乗」で増えるという話がでてくる。とてもエキサイティングで、なおかつ勇気づけられ、希望の持てる話である。

脳の神経細胞同士のネットワークというのは


2の2乗=4
2の3乗=8
2の4乗=16


という感じの「べき乗」で増えていくのだそうだ。この計算でいくと、


2の10乗=1024


という膨大な数になる。この「n乗」の「n」の部分を経験年数とすると、はじめて2年の人は4の能力であるのに対し、10年の人は1024もの能力を手にすることになる。何と256倍である。いかに継続するということが大事なことかよく分かる。これが、20年、30年となると、天文学的な差になってくることだろう。


この図式で考えると、自分ととんでもなくかけ離れているように見えるすごい人でも、自分との差はそれほどないのだということだと分かる。また「才能」というのは確かにあるのだろうが、この話を聞くと、少しくらいの「才能」の差など、経験を積むことに比べれば大したことないようにも思える。


なんといっても、やっぱり、真剣に継続することなのだ。


ところで、この本は脳の話を分かりやすく、かつ面白く解説した名著である。他にもためになる話が満載なので、ぜひ一読をお勧めしたい。