背中を感じる
身体の前面は感じやすいが、それに比べると背中はとても感じにくい。でも、自分の背骨を改めて感じてみると、自分の身体はずいぶんと厚みを持っていることが分かる。
身体が前面だけになると、世界が目の前だけ、目に見える世界だけになってしまい世界が薄っぺらくなってしまう。しかし、間違いなく自分の背後に展開されている世界というものもあるのだ。
「男は背中で語るもの」という言葉もある。「哀愁が背中に漂う」とか。今は殆ど死後かもしれない。しかし、そういう背中を持っている人は、確かにそういう表現が合っているものである。いろんなものを背中が語っていることは確かだ。
「動く」ということは、必ずしも前に動くということではない。別に後ろに動いたって一向に構わない。否、むしろ前と同じように横にも後ろにも自在に行けるのが本当の動きだろう。
身体の前面に目があるように、身体の背後に目があると思ってみたらどうか。そんな遊びから違った世界が開けるかもしれない。*1
*1:写真は「toshiの写真箱」より