淡々と生きていくこと

bon-naoto2005-12-01

「淡々」というと「劇的」とは対極の概念として捉えられているようだ。「劇的な体験」「劇的な人生」に比べると、「淡々と生きる」というのは、一見いかにもつまらなそうに思える。


しかし、「淡々」と生きることこそ本当に素晴らしいのである。何も面白いことをあえて求めなくても、歩いているだけで、息をしているだけで、人と会話をするだけで、一杯のコーヒーを飲んでいるだけで、風呂に入っているだけで、本当に満足できるのだとしたら、こんなに素晴らしい生き方はないというべきである。


「淡々」はただ何もしていないのではない。「淡々」としたあり方を続けていくのも、ある種の価値観と、訓練と、経験と、心構えが要るだろう。「今ここに」私が存在していること。そのことを身体の芯からしみじみと味わったら「淡々」と生きることの素晴らしさが見えてくるに違いない。「ただ生きている」というそれだけで人間はとんでもなくすごいことをやっているのだ。*1


今日の一句:淡々とありふれたあり方こそ、最も素晴らしい

*1:写真は「toshiの写真箱」