パターンを抜ける

bon-naoto2005-12-08

太極拳でも、野口体操でも、やる動きは決まっているが、出てくる動きはそのときそのときの一回限りのものである。身体の調子も違うし、他にも気温、湿度、一人か集団か、やる時刻、風向き、周りの音・・・・・・などなど「以前と全く同じ」ということはありえない。周りの環境も含め、「動き」とは全て一回性のものである。


運動に対しては、このような姿勢で向かわなければいけない。それを怠ると、「今自分がどのようであるのか」を忘れ、単なるプログラム、パターン化された動きを繰り返すことになるのだ。自分が今行っている行為に集中できない「心ここにあらず」の状態に特に起こりやすい。


練習としては、今の状態を感じることを忘れ、「単なる動きとしての運動を何回繰り返したからよしとする」ということになると、あまり進歩がないような気がする。もちろん反復練習は大事だが、もっと大事なのは常に「今自分がどうなっているのか」を感じ続けることである。この練習はとても集中力を必要とするから、そんなに長い時間は続けられないだろう。


運動だけに限らず、自分の性格やものの見方もパターンがある。自分のパターンにはなかなか気がつきにくいものである。知らず知らずのうちにパターン化された同じ反応を繰り返すのである。度が過ぎると、自分のパターンと相反するものは排除しようとしたりする。でも、「当たり前」と思っているものは、実は自分だけの「当たり前」であり、他の人には当てはまらなかったりするものだ。


では、どうするのか。丹念に「今の自分がどうなっているか」を感じ続けることしかないだろう。ここで「自分と向き合う作業」というものがどうしても必要となる。簡単には取れない強力なパターンもあるが、繰り返すことで、やがては強固なパターンも解放されていくことだろう。*1


今日の一句:自分のパターンは何だろう

*1:写真は「toshiの写真箱」