重心の移動

bon-naoto2005-12-12

「運動」というものを一言であえて表現するとすれば「重心の移動」ということになるだろう。


地球上に存在するものには皆等しく重力が働いている。この力が自分にどの様に働いているか感知し、そしてそれを自分の目的とする方向に導いていく。自分自身の力などたかが知れている。この重力の力を最大限活用することで、美しく、速く、強いパフォーマンスとなる。また、重力に逆らわなければ怪我や故障もしにくくなる。


特に「重心の滑らかな移動」というのは、大事だと思う。感覚が途切れずに連続している感じである。何かを焦ったり、急いでやろうとすると、たいてい動きがバラバラになってしまう。連続してスーッと動いている感じがなくなってしまうのだ。パッと動くのは一見速そうであるが、実はあまり速くなかったりし、また全身がつながっていないと合理的な動きにはならない。


歩行のときに、常に「地球の中心」を感じるようにすると、重心も感じられてくる。この重心の意識を崩さずに歩いてみる。意識が途切れると、動きの連続性も途切れてしまうのだ。その時に全身を感じるようにしてみると、全身の各部が重力に対しどのように反応しているかが分かって面白い。


この「重力感覚」はいわゆる「パワー主義」とは、対極をいくものである。力を抜けば抜くほど、重力感覚は分かりやすくなってくるからだ。また「スピード主義」とも異なる。パッと速く動こうとすればするほど、重力感覚は失われやすいものである。焦らずに、しっかりと自分の動きを認知できている状態。これができて初めて、速い動きというのが可能になるのだと思う。


重力感覚がつかめてきたら、次に「意識のコマ割り」を小さくすることに挑戦していこうと思う。*1


今日の一句:滑らかに、あくまでも滑らかに重心とつきあう

*1:写真:「toshiの写真箱」