停止した時間

bon-naoto2006-04-07

昨日の続き。


人間は、外界から取り入れた情報を自分の中で処理して、外部に何らかの形で情報発信している。


インプット→(処理)→アウトプット


という情報の流れだ。


人間のやっていることは、結局これである。


さて、情報処理の対象だが、外部から取り入れた情報だけでなく、過去のイメージそのものが対象となるときがある。昔の体験したことを思い出して、それに身体が反応することなどがこれにあたる。


たとえば、過去に出会った人を思い出して、その人の言ったことに心が引っかかったり、辛い思いや、嫌な思いをすることがある。


でも、面白いことに「その人」は実際にはこの世にはいない。それは、死んでしまったという意味ではなく、「その人のイメージ」とは「この世に実際にいる人」なのではなく、「それを思い出す人の心の中にいる」ということだ。ある人が自分の認識の枠組みで切り取った「その人」なのである。


現実世界の「その人」は、時間が経てば成長もする、いろんなことも学ぶだろう。でも、自分のイメージの中の「その人」は成長しない。強いレッテルを貼ってしまえば、そのイメージが容易に変わることはない。「あの人はいい人だ」「あの人はケチだ」「あの人は意地悪だ・・・」などなど。時間が停止してしまうのだ。

さて、「私のイメージの中のその人」と、「実際に生きているその人」とは、一致しない場合も多い。これを一致させることが、「世界をありのままに見る」ということだ。*1

*1:写真は「toshi」の写真箱