生まれ変わっている身体から

bon-naoto2006-04-12

全身の細胞は、何ヶ月かで全て入れ替わってしまう。ただし、脳や神経細胞は入れ替わらない(最新の学説のことはよく知らないが)からそれ以外ということになる。内臓や、血管や、骨も全てまるまる入れ替わってしまう。


でも、そうだとすると、病気や疾患、痛みなどが何ヵ月たってもなくならないことがあるのは、なんだか不思議な気がする。細胞が入れ替わると同時になくなってもいいはずなのに。


ということは、入れ替わらない脳神経系の細胞が、きちんと自己イメージというものを記憶していて、「痛み」をなくならないように保持しているということになるだろう。


自分のことを忘れられないように、「痛み」が消えることなく主張し続けているというか。


「痛み」や「病気」も間違いなく、自分を構成するイメージの一部なのである。自分が認めないように否定しても、脳細胞はしっかりと覚えている。そして、それは自分がそれを自覚し、それに対する新たな関係性を獲得できるまで続くことだろう。


自分が「自分」だと思っている範囲って、実はとても小さかったりする。「痛み」や「病気」を一生懸命否定しようとしても、でも、それを抱えている自分って、そしてそれがいつまでも消えない自分ってじゃあ何? ということになる。「身体は嘘をつかない」とはよく言ったものだが、本当に嘘をつけない。「痛みを抱えている自分」ってまさに自分そのものだもの。


「これは、私ではない」と都合の悪い事を切り離していくと、自分がどんどん小さくなっていく。全て含んだ「まるごと自分」というもの、それが真の自分というものだろう*1

*1:写真は「toshiの写真箱」