自覚こそ成長
- 作者: ウィリアム・ハート,日本ヴィパッサナー協会,太田陽太郎
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1999/11/25
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
人間の心は、意識→知覚→感覚→反応というプロセスを繰り返している。この処理の時間はものすごく短く、外界からの刺激を感じ取り(意識)、選別し(知覚)、価値判断を行い(感覚)、好き嫌いの感情(反応)が生まれる。このプロセスは、一瞬にして起こるので、多くの場合、外界からの刺激に対し、殆ど無自覚に好悪の感情が生まれる反応を繰り返している。
「苦」というのも、所詮は無自覚な反応にすぎない。もっと丁寧に、どういうプロセスを経て外界からの刺激に対して自分が反応しているかを感じ取り、どんな風に「苦しみ」が生まれてくるのかが分かれば、少なくとも、無自覚に意味もなく苦しむということはなくなるはずだ。
ここのところ、「どれだけ多くのことに気がついているのか、自覚できているのか」ということが人間の成長の指標になるのではないかと思っている。あたりのいい言葉をどれだけ覚えているかではなく、自分の発言や行動に自覚が感じられるのかどうか。無自覚と思える言動や行動は、一見立派なことを言っているようでいても幼く見える。