頑張る

bon-naoto2006-07-17

昨日、野口体操教室で、先生がおっしゃっていたが、今の若い人は本当に「頑張らない」らしい。「頑張る」ということをしないそうなのだ。


日本人はこの「頑張る」という言葉が何かにつけ好きなようでよく使う。この代わりの言葉を探そうとしてもなかなか見つからない。


でも昨今、この「頑張る」のマイナス面や、弊害も言われてきている。「頑張らなくていいから、楽しんでね」みたいな感じて使われたり、がんの専門医の書いた「がんばらない」という本もあった。


確かに、理不尽な仕事で心身がボロボロになるまで働いている人や、闘病でありとあらゆる手段を試した人に向かって「頑張れ」とはたいへん酷な言葉だろう。


野口体操でも、「頑張らなくていい」と言われている。でも「努力しなくてもいい」とは言われていない(多分)。


「頑張る」には、少なくとも2つの意味がある。


A)身体に力を入れて(時には息を詰めて)グッと踏ん張る。
B)目標に向かって真剣に努力する。


この2つはある程度相関関係がある。A)身体に力を入れると、ホルモン分泌の影響だろうか、気持ちが引きしまってやる気になる。それがB)につながる。でも、余計なところに力が入っていたり、また、力でものごとを処理したりすると、逆に自然の法則に逆らってしまい。マイナスの効果を生んでしまう。


この、「余計なところに不自然に力が入る」ことこそが問題なのであり、「目標に向かって努力すること」はいけないことでも何でもない(勿論それも極端に過ぎれば問題だろうが、それはそのバランスを欠いたあり方が自然の法則に反するからである)。


どうするかというと、答えはおのずとこうなるだろう。


「余計な力を使わず、自然の法則に逆らわない身体の使い方や認識、ものごととの関係性を模索しながら、目標に向かって真剣に努力する」


というのが最善のあり方になると思うが、どうだろうか。


そして、これは私の信念というか思いというか夢というか、とにかくそういうものなのだが、このあり方は存在しうるし、また歩いていくのがとても楽しい道であるのだ。*1

*1:写真は「toshiの写真箱」