バランス

bon-naoto2006-09-19

日曜日の野口体操教室は「バランスプレー」をやった。車輪の上に、レールがついた台が備え付けられ、その上に乗ってバランスを取る。一見シーソーの様でもあるが、シーソーと違うのは、支点が車輪になっているので、支点自体が動く点だ。おそらく支点が固定された単なるシーソーよりも、理想的な人間の動きに近い。


バランスプレーに乗るのには、初めはちょっとした勇気がいる。自分が片側の足にかけている重心を反対側に移すことに思い切りが必要なのだ。


乗った後は、その上で、重心を微調整してバランスを取るのだが、そこには、腰の微妙なコントロールを使う。身体を固めていては柔軟かつ敏感に対処することはできない。そして、「完全に静止した状態」ということがありえないこともよく分かる。


一見静止しているように見えるものでも、幾多の要素が絶妙なバランスを取って存在している。身体をとめようと思っても、血液やリンパ液は流れているし、心臓も動いているし、呼吸もしている。人間の身体にしても、骨、筋肉、内臓、神経などいろんなものがバランスを取っている。それが崩れた状態が「病気」と呼ばれるものだろう。


ところが、現実はそうでありながら、なぜか人間の頭だけは、静止したものにしがみつこうとする性質があるようだ。過ぎてしまった過去、漠然とした未来、その他もろもろの幻想の数々・・・・・・


ちょっと頭を切り替えてみれば、きっと見えるものも変わってくるのではないか。*1

*1:写真は「AMANO KAZAOTO 高画質館」