言葉を正確に使う

bon-naoto2006-09-25

ここのところ、野口体操教室のテーマが「ことばと動き」だからだろうか。言葉のことを考えることが多い。


日曜日の教室の中でも、話題として出てきたのだが、土台言葉で表現できるものなど、ほんの僅かなことに過ぎない。出てきたひとつの言葉の背後には、意識に浮上してこない、あるいは、意識に浮上しても言葉になるまでには至らなかった膨大な情報の塊がある。


表面的な言葉のやりとりは、次第に揚げ足取りのようになり、やっていてむなしくなってくる。問題の根本はそこにはないことも分かってくる。


でも、だからこそ、言葉を正確に使おうとする努力は、とても大事なものだと思う。どんなに頑張っても完全には至らないが、完全に近づけようとする努力。


受講生の一人が、「野球をやっていて、バットの真芯に当たる感覚」とおっしゃっていたが、やはり、「事象をみごとに言い当てている言葉」というものは、存在する。ピタッとはまったとき、バットの芯で捉えたような満足感がある。


そして、そういう言葉というのは、確かにある種の「力」を持っている。「言霊」と呼ばれるように魂が宿っているような気もする。*1

*1:写真は「AMANO KAZAOTO 高画質館」