結晶

bon-naoto2006-10-16

人間の解剖図などを見てみると、実に人間の身体は精巧にできているものだと思う。筋肉、骨、内臓、脳・神経・・・・・・どれをとっても微細にわたって本当によくできている。


また、それぞれが独自の機能を果たし、身体全体としても絶妙な調和を保ちながら人間は生きている。そう思うと改めて生きているということはすごいことだ。


生命が生まれてから、もう何十億年も経っている。何十億年分の歴史の結晶として人間の身体は存在している。


殆どの人は、自分が生きていることがどんなにすごいことなのか分からない。生きていることが当たり前のことだと思っているので、改めて筋肉や骨や内臓がどんな仕事をしているのか考えることもないだろう。そして、病気になったり、事故にあったりして、死を意識し、自分の生命の危機を感じたときに、始めて生きているということが、どんなに素晴らしいことかを知るのかもしれない。


いまこの身体をもって生きているという事実そのもの、それこそが本質であって、そのことを考えれば、神がいるのかいないのかとか、そんな議論も無意味に思えてくる。それを「神」と言う言葉で呼びたければ、呼べばいいし、また、そういう言葉が好きでないなら別の言葉で表現すればいいだろう。何を考えるにせよ、またやるにせよ、結局は同じメカニズム、土俵の上で動いていることに変わりはない。


生きていることのすごさは、別に死を意識したときまで待たなくても、今この瞬間に感じてしまえばいいのだ。どんなに、駄目であろうと酷かろうと欠点があろうと、生きているというだけで、人間はたいへんな仕事をしている。「私は駄目だから・・・能力ないから」駄目じゃないって。


それに気がつけばきっともっと違った世界が見えてくるはずだ。*1

*1:写真は「AMANO KAZAOTO 高画質館」