テンセグリティ

ボディワイズ―からだの叡知をとりもどす

ボディワイズ―からだの叡知をとりもどす

  • 作者: ジョゼフヘラー,ウィリアム・A.ヘンキン,Joseph Heller,William A. Henkin,古池良太朗,杉秀美
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本
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「ボディワイズ」という本に、「テンセグリティ」という構造の話が載っている。人間の身体の構造を説明するのにとてもよいモデルだという。


テンセグリティとは、こんな(ホーム > 多面体おもちゃ > テンセグリティ)構造のことである。固体としての長い棒(圧縮材)は、連続しておらず、重力を縦に支えるためのいわゆる「柱」としては機能していない。ゴムの張力のバランスで、構造としての安定性を維持している。


骨が身体の支柱であるかのようによく言われるが、実は、骨はこの図の圧縮材のような役割を果たしており、「支柱」という見方とは異なるようだ。筋膜が弾力性を持った構造をしているため、ただのテントのような、支柱にシートがかぶせてあるだけのような構造とは違うのだ。


さて、このテンセグリティのおもちゃを見ると、人間の身体でも「バランス」がすごく大事ということが分かる。一部が硬縮して弾力性を失ってしまったりし機能が悪くなれば、当然他の部分、ひいては全体の全ての部分に影響する。逆に考えれば、一部の問題が解決すればそれは全体にも及ぶことを意味する。また、身体の一部分のみ取り上げて鍛える筋力トレーニングが必ずしも全体としてはよい効果を生まないこともこれで分かる。


自分の体感でも、身体が全体でバランスが取れていると感じられるときは気分がいいものだし、太極拳をやっていてもうまくいく感じがする。