サイボーグ

bon-naoto2006-11-03

何気なくチャンネルを回したら、NHKスペシャル立花隆最前線報告・サイボーグ技術が人類を変える」という番組をやっていた。機械を身体に埋め込み、身体の失われた機能を補うサイボーグ技術についての特集。


最新の科学技術ってすごいものだ。手足が震えるパーキンソン病の人に、脳に電極を埋め込んで症状を抑え、歩けない人が歩けるようになったり、難聴の子供が人工内耳をつけて、音が聴こえるようになったり、脳に埋め込まれた電極を通して、ネズミをリモートコントロールしたりと、かつてマンガの世界でしかできなかったようなことがどんどん現実の話になってきている。


それにこの分野は、ここ何年間で急速に伸びていることであり、今後10年くらいでもっと飛躍的に進歩するだろう。脳に電極を埋め込んで、脳の指令を読み取り、機械を動かす技術は、これまでサルでずっと実験を繰り返してきたが、アメリカ政府も、ついに人間への適用を認めるようになったとのことだった。


番組の最後で立花隆が言っていたが、確かにこの技術は医療のような分野で使われるのならば、素晴らしいものとなるが、逆に戦争用などに使われると、たいへん危険なものであるともいえる。人間の何倍もの能力を持ち、また人を殺すことを何とも思わないどころか、むしろ快感を覚えるようプログラムされた究極殺人マシーンみたいなものも、作ろうと思えばきっとできるはずだ。まさにマンガの世界である。


いずれにしても、この「人間と機械の高度な連携」という流れは、止めようとしても止めることはできないだろう。


脳に取り付ける電極などもどんどん高性能かつ小型化されているようだ。今は「脳に電極を取り付ける」といったらとんでもなくたいへんなことのように思えるが、医療技術の進歩により、ピアスの穴を開けるような感覚で頭に穴を開け、今よりもっと小型化されたわずかな大きさの電極を脳に埋め込むことだって、簡単にできるようになるに違いない。そうなれば、それほど人は電極を埋め込むことだって抵抗を感じないだろう。インターネットと連携すれば、世界中の人と思っただけで意思が通じ合える「テレパシー」みたいなこともできるかもしれない。ホントに映画の「マトリックス」だ。


さて、そうなったとき、そういう存在はこれまでの「人間」と同じと言っていいのか。また、世界はどうなっているのだろうか。そういうときのために「人間とは何か」といったベーシックなテーマをいつも考えておいたほうがよい気がする。*1

*1:写真は「AMANO KAZAOTO 高画質館」