身体と学問

bon-naoto2006-11-27

身体を通して、宇宙の運動を確かめる。自分の身体が、最も身近で最高の実験材料となる。重力は常に働いているし、自分の身体は何十億年の生命の歴史が刻み込まれたDNAの情報が発現した存在だ。よく考えてみれば、こんなに素晴らしい環境はない。


人間が生きるとはどういうことか、生命とは、自然とは、宇宙とは何か。それを自分自身で確かめたい。特に身体はそのための強力なパートナーとなる。自分自信でその法則を検証してみること。それを学問という。


野口体操の創始者野口三千三は、体操を通して、人間、自然、宇宙を探求しようとした。哲学を言葉の世界だけにとどめておくことなく、身体を通して語った。言葉だけならいくらでもきれいな世界を描くことができるが、ごまかしの効かない体操を通しての哲学を語ったのだ。


また、中国拳法の名手と呼ばれた人に王コウ(くさかんむりに「郷」)齋という人がいる。王が創始した「意拳」は畏敬の念を込めて「大成拳」とも呼ばれるが、自らの拳法を「学問である」と言ったそうだ。自らの動きが、中国に伝わる思想、哲学をそのまま体現したものであるという。「学問」とは「真理を求める道」と言い換えてもいいだろう。


身体と学問を結びつけた探求。私が歩きたい道もまさにこれなのだということに気がついた。*1

*1:写真は「AMANO KAZAOTO 高画質館」