ないものをあるように思っている

bon-naoto2007-05-09

頭の中がゴチャゴチャして、考えがまとまらないことがある。自分の行動について、どうしようか戸惑ってしまうときがある。


自分が「ある」と信じて疑わないもの。でも、それは本当に「ある」ものなのか。もともと何も「ない」ものを自分の頭が「ある」ように勘違いしているだけかもしれない。よくよく考えてみれば、当たり前のように存在するものも本当に存在すると言えるのかは疑わしい。


四方を真っ白な壁に囲まれた何もない部屋に入れられると、人間の脳はたちまちのうちに幻覚を作り出すという。そのように何とかして自分の中で整合性をつくりだそうとする仕組みを脳は持っている。


日常生活も実は同じようなもので、今見ている世界は、おそらくは自分自身の中に整合性をつくろうとして、脳がつくりだした幻覚の世界なのだ。


そう考えてみれば、少し気が楽になる。たかが幻覚、幻想の世界にいつまでも悩む必要もなかろう。また、何もないからといって、虚無に悩む必要もない。「むなしさ」という感情ですらも、整合性を取るために人間がつくりだした幻想だ。本然の姿は、ただただ「ない」でよい。


この世界はただただひとつのものとして存在し続けるものだが、同時にそれを別の言葉で表現すれば「何もない」ということになるのではないか。*1

*1:写真は「AMANO KAZAOTO 高画質館」