名人の極意

bon-naoto2007-07-30

太極拳の練習でよくこんなことを言われる。


曰く、「力が抜けている」と「気が抜けている」は違う。力は抜いても、気は抜いてはいけない。


「名人の極意」というものは、正にこれではないか。普通は、力を抜くと同時に気が抜けるか、気を込めようとして力もこもってしまうかのどちらかになってしまう。徹底的に無駄な力が抜けているのに、徹底的に気が満ちている状態。そんな状態は想像することも難しい。だからこその名人芸なのだろう。


一見、相矛盾するような関係をどう自分の中に作り上げていくか。それはそのまま人格のトレーニングともなる。全く矛盾し、相反するように見えるものが、矛盾することなく自分の中に体現されている。それは、森羅万象のあらゆるものと結びついた究極の人間の姿だ。*1

*1:写真は「toshiの写真箱」