心と技

単に技だけを磨こうとしても、必ず限界が来る。人間は、物理的側面から精神的側面まであらゆるものを含んで存在しているのだ。技を磨こうと思ったら、同時に心=認識力も磨いていかねばならない。


といって、精神面を重視するあまりに、実体の世界を無視していては、宗教にはなるかもしれないが、同じく技の向上はない。物理的世界の真実は厳然として存在する。実体と精神のどちらにも偏ることなく、歩んでいくこと。それは、山の稜線を遥かな峰を目指して登っていく様なものかもしれない。どちらに落ちても谷底が待っている狭い道だ。


自分の身体との地道な対話を通して知る真理、それを練り上げることによって得られる認識力こそが本物だと思う。