2006-01-01から1年間の記事一覧

やかんから実感

沸騰したやかんに誰も触ろうとは思わない。ホンのちょっと触れただけでも、手がやけどし、激痛が走るだろう。人間にはとても耐え難い痛みだ。 核兵器が実際に使用されたら、それこそ、沸騰したやかんに触ることの何十億倍かそれ以上もの世界がこの世に出現す…

テンセグリティ

ボディワイズ―からだの叡知をとりもどす作者: ジョゼフヘラー,ウィリアム・A.ヘンキン,Joseph Heller,William A. Henkin,古池良太朗,杉秀美出版社/メーカー: 春秋社発売日: 1999/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る「ボディ…

天の声

ヨーガに生きる 中村天風とカリアッパ師の歩み作者: おおいみつる出版社/メーカー: 春秋社発売日: 1988/07/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る中村天風と言えば、ヨガを始めて日本に伝え、また成功哲学でも有名な…

言葉にする作業

今日の野口体操教室は、「ことばと動き」の特に「成文化」についてを取り扱う。 「自分の感覚が乏しいのは、それを言葉にしていく作業を怠ってきたから。今からでも遅くはないから、自分の感覚を言葉にしてく作業をはじめよう」という、野口三千三先生の言葉…

強い人の考え方

今年の日本シリーズは、中日が初戦を制した。中日は特に目立ったスター選手はいないのだが、職人肌の選手が揃っていて、正に「プロの集団」という感じがする。選手の総力で言えば、他の球団と比べて特に際立っている訳ではないと思うが、それでもリーグ優勝…

自分のことは分からない

自分で自分のことを知るというのは、なかなか難しいことだ。例えば、自分がどれくらい余計な力を使っているかということも、自分で知るのは難しい。自分ではこれが当たり前だと心のどこかで思っていて、それを超えた自分の姿を描くことってなかなかできない…

結晶

人間の解剖図などを見てみると、実に人間の身体は精巧にできているものだと思う。筋肉、骨、内臓、脳・神経・・・・・・どれをとっても微細にわたって本当によくできている。 また、それぞれが独自の機能を果たし、身体全体としても絶妙な調和を保ちながら人間は生…

五感を統一する

視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚・・・・・・人間の感覚は、五つに分かれているとされる。でも、「原初生命体」であるアメーバはどうかというと、分化していない一つの感覚である。見ることも、聞くことも、味わうことも全部一つの細胞がやっている。 感覚を五つに特…

許してあげよう

フッとこんな思いが湧いてきた。 過去に自分に痛い思いをさせた人、過去に痛い思いをした自分を許してあげよう。過去の中の他人も、過去の中の自分も結局同じ存在だ。心の中で人を傷つけることは、そのまま自分を傷つけていることだ。もうこのパターンにしが…

言葉を正確に使う

ここのところ、野口体操教室のテーマが「ことばと動き」だからだろうか。言葉のことを考えることが多い。 日曜日の教室の中でも、話題として出てきたのだが、土台言葉で表現できるものなど、ほんの僅かなことに過ぎない。出てきたひとつの言葉の背後には、意…

体験のカベを超えて

「自分でやってみて、体験しなければ何事も分からない」というのは、やはり真実だと思う。自分の実感とは、その人だけのものだし、体験もその人にとって一回きりのもの。だからこそ、貴重だともいえる。 親と子供、先生と生徒、上司と部下、軋轢がうまれ「あ…

バランス

日曜日の野口体操教室は「バランスプレー」をやった。車輪の上に、レールがついた台が備え付けられ、その上に乗ってバランスを取る。一見シーソーの様でもあるが、シーソーと違うのは、支点が車輪になっているので、支点自体が動く点だ。おそらく支点が固定…

楽に呼吸ができるのが「楽」

答えはものすごくシンプルで、要するに楽に呼吸ができるのが「楽」ということなのではないか。息を止めたり、詰めたりするときって、端的に言って楽(らく)じゃないし、楽(たの)しくない。 背中を丸めたりとか、肋骨を縮めたりとか、胸を詰めたりすること…

創造のスピリット

今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社知恵の森文庫)作者: 岡本太郎出版社/メーカー: 光文社発売日: 1999/03/01メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 126回この商品を含むブログ (139件) を見る岡本太郎「今日の芸術」を読む。その中の太郎のフレーズ…

死体から学ぶ

フッとヨガに「死体のポーズ」というものがあったことを思い出した。ちょっとおどろおどろしい名前だが、ポーズそのものは、床に仰向けで横たわり、身体を休めるもの。他のポーズを行った後でくつろぐために使われる。 たしか「やすらぎのポーズ」と呼ばれる…

修業

気功、その中でも「静功」と呼ばれるものは、立ったままずっと同じ姿勢を保つ結構きついトレーニングだが、これは確かに「修業」と呼ばれるにふさわしいトレーニングだ。単なる「空気イス」のように我慢比べしながら耐えるようなものではなく、ひたすらに自…

言葉は「こと(事)」の「は(端)」

言葉(ことば)とはよく言ったもので、出来事=「こと」の端っこ=「は」のことだ。この世に発(=「は」)せられて現出した概念やイメージ。 でも、一件全く違うような言葉でも、実は同じ枝から生えていたり、また、その枝同士も同じ根っこから生えていたり…

セロファンを積み重ねるように

太極拳の鍛練の中に、気功がある。同じ姿勢を維持したまま、動かないで身体の中を練るトレーニングだ。一定の時間同じ姿勢を保つのは決して楽ではなく、やっていくうちに筋肉痛になったりもするのだが、表層的な筋肉が疲れてくると、普段使われていない深層…

言葉の力を利用する

「言霊」(コトダマ)という言葉もあるように、言葉は生きていて、それ自体力を持っているものだと思う。言葉によって、世界が切り取られ、概念が形成される。それは、時には人を元気づけ、勇気づけ、前に進める力となるものでありながら、時には、人を縛り…

憲法九条を世界遺産に

憲法九条を世界遺産に (集英社新書)作者: 太田光,中沢新一出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/08/12メディア: 新書購入: 4人 クリック: 92回この商品を含むブログ (290件) を見るという本を読んだ。お笑い芸人の太田光と宗教学者の中沢新一という、とても…

成長の途中

全ての人間が成長の途中にある。完成されたなどということはなく、ずっと人間は未熟なままだ。人のアラは目に付くが、自分のアラはなかなか探せないものだ。でも人のアラは、なかなか見つからない自分のアラそのものだ。「しょーがねーな、こいつは」と思っ…

恥かいてナンボ

今日、突然ひらめいた言葉 「恥かいてナンボ、怒鳴られてナンボ、失敗してナンボや」(なぜか関西弁) 「摩擦こそ大事」と野口三千三先生もおっしゃっていた。決して美しいとは言えない経験の中にこそ、自分が大きくなるヒントが含まれている。*1 *1:写真は…

つながる喜び

全宇宙に存在している水素原子は、宇宙が誕生してしばらくしてできたのだが、そのときにできた原子は今もずっと存在しているのだそうだ。今この世界にある全てのものは、もともと一つのものだったのだ。 「つながる」とは、エネルギーや力が伝わっていくこと…

自分を壊す勇気

今日は野口体操のレッスン。レッスンもいよいよ佳境で「ことばと動き」に入る。 言葉と動きの関係というレッスンの内容もとても興味深いものであったのだが、それ以外に今日とても大きな収穫があった。それは、授業中にスタッフの女性が言った言葉である。 …

自分に起こったことは、全部自分に原因がある

自分に都合の悪いことはついつい人のせいにしてしまいがちになる。でも、人のせいにしてばかりいると、自分が成長する機会が失われる。自分に起こることが、何か外的な自分にコントロールできないものによって左右されている、という錯覚が生まれる。そうす…

言葉以外の情報

特に言葉で言われなくても、ただ側にいるだけで人からいろんな影響を受けるものだ。その人の立ち方、呼吸の仕方、身体の使い方、それからその人の発している雰囲気などもそうだ。 おそらく、この「言葉以外の情報」は無視できないほどの影響力がある。言葉と…

物性を活かす

物理学に「慣性の法則」というのがある。一度運動を始めた物体は、空気や摩擦など、外力が加わらない限り、ずっと運動をし続ける。実際には、地球上では、摩擦抵抗や空気抵抗があるために、この法則どおりに物体が運動し続けることはないが、しかし、これは…

いろんなものを触ってみる

野口体操で「全ての感覚は触覚の変化したものである」という言葉があった。 プレゼンシングでも、五感の中で触覚を非常に大切にしている。 視覚は、光が目に触れる事によって生じるものだし、聴覚は音波が耳に触れることによって生まれるもの、味覚と嗅覚は…

でかい心

「心」とは「得体の知れないもの」の代表のような言葉だが、心の大きさは、結構「周りの世界をどこまで認知できるか」というところで決まるような気がする。そのまま「空間的にどれだけ感覚を広げられるか」ということに言い換えられるかもしれない。 自分に…

強さと優しさ

どうすれば、「強さ」と「優しさ」が両立できるのだろうとずっと考えていた。この2つを結びつけるポイントは「バランス」なのではないかと思いついた。 バランスを無視した一時的に出す力は、一見強いが、でも身体に無理をかけているために決して長くは続か…